新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、大阪府の吉村洋文知事は10日、4月下旬に入っても新規感染者数が減少傾向に転じない場合は3度目の緊急事態宣言を出すよう政府に要請する考えを示した。大阪府などへの「まん延防止等重点措置」(重点措置)の適用に触れ、「効果が不十分なら、休業(要請)をベースにした宣言をやるべきだ」とした。テレビ朝日の番組で語った。
大阪府と兵庫県では10日、1日あたりの新規感染者数が、それぞれ過去最多の918人、351人となった。大阪府が確保している重症病床(224床)の使用率は81・3%に達し、200床以上を確保した昨年10月中旬以降で最も高くなった。府の「重症」基準とは異なる政府の基準に沿って算出した重症病床使用率も53・4%となった。
これに伴い、政府の専門家分科会が示す感染状況などの6指標のうち5指標が、最も深刻だとする「ステージ4(感染爆発段階)」に達した。
吉村氏は、5日から適用された重点措置に基づき、大阪市内の飲食店などに対し午後8時までの時短営業の要請などを行っているとして、これまで緊急事態宣言の要請に消極的だった。
ただ、10日のテレビ朝日の番組では「(重点措置の)効果が出てくるとすれば19日の週。感染者が減少するか、感染拡大の山がある程度抑えられているかを見極めたい」と強調。「効果が不十分なら、前回よりも強い内容の宣言をやるべきだ」と述べた。
兵庫県の新規感染者は4日続けて300人を超えた。病床使用率が7割を超えて一段と逼迫(ひっぱく)しているため、県は10日から、無症状や軽症の人が一定の条件を満たした場合、原則認めていなかった自宅療養を認める運用に踏み切った。
8日時点で、分科会が示す6指標すべてが「ステージ4」に達した。県によると、6指標を満たすのは1月12日以来だという。(浅沼愛、鈴木春香)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル